ドイツを語らずして低燃費住宅を語れまい・・・
ということで、ドイツ研修時の写真を交え場がらドイツコラムをお送りします。
今回は【フライブルグ市ヴォーバン住宅地に学ぶ】
ヴォーバンは環境先進国ドイツの中でも特に、都市計画、環境性などが発達した人口約5500人の住宅街で
世界中からたくさんの視察が訪れる「環境首都」として知られています。
都市計画の段階か「エネルギー計画」・「CO2排出削減」・「省エネ住宅」などの対策を行い、
環境面だけではなく経済的にも「持続可能性」を実現させているまちになります。
*詳しくはこちらのクラブヴォーバンのHPをご覧下さい
↓
http://www.club-vauban.net/%E3%83%B4%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%B3%E4%BD%8F%E5%AE%85%E5%9C%B0%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/
クラブヴォーバンは、ドイツ在住環境ジャーナリスト、村上敦氏がファウンダーを務めており、
ヴォーバン住宅地の成功事例に学び持続可能・低炭素なまちづくりに取り組むプロジェクトです。
村上敦氏のHP↓
http://www.murakamiatsushi.net/
http://blog.livedoor.jp/murakamiatsushi/
↑ヴォーバンを紹介するときによく見かけるソーラーハウス、ソーラーオフィス。
窓に日陰ができているのが分かるかと思います。ソーラー屋根がそのまま日差し除けの庇になっていますね。太陽をいかにコントロールするかがカギです。
またこのオフィスには最近でこそ出てきていますが、PCM(Phase Change Material)という常温で融ける性質をもつ建材を室内に使用しており
室内に熱をいかに蓄えるかという試みもしておりました。
↑1997年築のヴォーバンで初めてパッシブハウス基準でつくられた集合住宅のパース。
4階建ての1500㎡で20世帯が居住しています。
南面には大きな開口窓をとり冬は日射を取り入れる。夏場は前面の落葉樹が日射を遮ります。
ドイツでは6割強の世帯が集合住宅で暮らしています。
↑上記のパッシブハウスを設計したビゼリ氏(右)と村上氏(左)
もちろん私はドイツ語がわからないので村上さんに通訳してもらってます。
ビゼリ氏もこの住宅に住んでるとのことで、
年間の光熱費は約250ユーロ! 月々約2700円の光熱費!驚きです!
1997年当時で建築費は7%ほどアップしたそうですが、光熱費負担減により12年ほどで回収できたとのこと+健康で快適な室内環境です。
これが今のドイツでは国家プロジェクトでもなく、ごくごく一般的な住宅の話なのです。
↑別なヴォーバンの集合住宅の壁です。ためしにipadを置いてみました。
これすべて断熱材、厚い!
↑集合住宅の断熱改修の様子、左のグレー色の断熱材を外壁に張っています。
そして右のグリーンの建物は新築マンションではなく築30年越えのマンションの改修後の様子。
快適性も外観のデザイン性もよくなりました。
今回は主にヴォーバンの住宅をあげてみました。
これらはすべて、機械に頼ることなく、できるだけ自然エネルギーでまかなっていること、そして化石燃料に頼らず持続可能であること
この点は同じく経済大国でありながら資源に乏しい日本も学ぶところだと思います。
未来の子どもたちに引き継げる地球のために
*次回、ドイツコラムは↓あたりを予定しています。
【エネルギーパス ~車の燃費は気にするのに家の燃費は気にしないの~】
【パッシブハウス ~ドイツと日本の省エネの違い】
【ドイツのきこりは年収1000万!? ~シュバルツバルトに学ぶ林業と持続可能性】