実際の物件を交えて、施工の流れをご紹介します。
高性能住宅の要素のひとつ、高断熱。断熱材施工、熱橋対策・・・HPでは見かけないポイントを施工事例をもとに紹介します。
まずは床。WHでは床断熱となります。
前回でもご紹介した通り、床下空間は断熱ラインの外となるため、床の構成内部に断熱材が入ります。
前回でお話した、大引間に約100mmの断熱材が入ります。
またここで気密ラインをとるため、テープ処理を施します。
床も断熱材がダブルで入ります。
先ほどの大引間の100mmの上に構造用合板、さらに上に押出法ポリスチレンフォーム保温板が25mm入ります。
壁のダブル断熱(充填+付加)は少しは聞くようになってきたかと思いますが、床のダブルなかなか聞きません。
ここまで施すことで、壁と床の境界、大引間・・・熱橋部の断熱にもつながり、ひいては超長期の耐久性にも影響を与えていきます。
壁構成はセルロースファイバー+ロックウールのダブル断熱となります。
まずはセルロースファイバー。壁にメッシュシートを張り、掃除機のホースのようなものを使い柱の間に充填していきます。
外壁側にはロックウールを貼り付けます。
一般的な外壁と異なり、壁自体にしっかり厚みが出るため、サッシが引っ込んで陰影ができるようになるのが
外張り付加断熱の特徴の一つです。
またロックウールを張らない、外壁材で仕上げない箇所は性能が落ち熱橋とならないよう、押出法ポリスチレンフォーム保温板を張り付けます。
外部に造作庇を施工する際にも、挟み込んで熱橋をつぶしていきます
その他には・・・
サッシの際には10mm前後の隙間が出ますが、ここを無断熱とすると将来的な結露リスクとなるため、ウレタンを充填していきます。
UBの下は床断熱となならないため、部分的に基礎断熱となります。当然配管回りの熱橋も充填していきます。
超高断熱住宅で特に気を付けなければならないのが、こういった熱橋対策です。
低性能であれば、落差があまりないため問題となりづらいですが、
超高断熱では、どこか弱点をつくると熱の逃げ場がすべて弱点に逃げるため、すぐに結露→カビ→腐食→耐久性低下・・・となってしまいます。
断熱工事はWHの重要な要素の一つです。
特に熱橋対策など、今までの一般的な住宅の延長線上で考えるとなかなか理解しづらいところではあります。
雨漏れリスクと同じような気遣いでする必要があります。
ぜひ構造見学会や現場案内・・・確認していただきたいポイントです。
次回は断熱と切っても切れない「気密」についてご紹介いたします