ウェルネストホーム九州 営業チーム y.m
花の季節といえば皆様はどの季節を思い浮かべますか?
そう聞かれて一番最初に思い浮かべるのはたぶん満開の桜が美しい春かと思います。
次に考えるのは青い空に映えるひまわり畑の夏か、あたり一面に広がるコスモス畑の秋になるでしょうか?
逆に冬というと雪が降ったり気温も低かったりで、あまり花が咲く季節という印象はありませんよね。
実際多くの植物は葉っぱを落としたり、種の状態になったりと厳しい冬を越すために様々な工夫をしています。
特に日本では南に位置する九州ですらも冬は寒く、我々人間もストーブやこたつを準備したり、
高気密・高断熱住宅で温かい家にしたりするなどして冬を乗り切るため必死に対策しますよね。
そのように冬というと花が咲くイメージもなく、雪が降るような厳しい季節ですがこんな季節にわざわざ花を咲かせる植物もあります。
今回は鹿児島県の南大隅地方で冬に咲くとても珍しい国産ランを見に行った旅行記になります。
※本ブログは住宅のお役立ち情報ではなくあくまでもスタッフの旅行記です。
※第一弾「屋久島に行こう!」はコチラ
①南大隅の絶景、おすすめポイント!
今回の行き先である南大隅は九州最南端である鹿児島県の中でもさらに最南端の場所です。
鹿児島県にある2つの大きな半島のうち左側が「薩摩半島」、右側が「大隅半島」になります。
薩摩半島の南端は砂風呂で有名な指宿市になるので旅行などでいったことがある人は多いかと思いますが、
大隅半島には桜島以外行ったこともないという人も多いのではないでしょうか?
ましてや南の方となるとますます行ったことがある人は少ないかと思われるので、まずは私なりのおすすめスポットをご紹介いたします。
荒平神社(垂水市)
潮が満ちると鳥居が海に沈む神社です。
海や砂浜のきれいさと相まってとても幻想的な神社になります。
開聞岳 薩摩富士 (指宿市)
薩摩富士と名高い開聞岳です。開聞岳があるのは薩摩半島側ですが、一番美しく開聞岳を見ることができるのは錦江湾を挟んだ大隅半島だけです。
特に夕日が沈んでいく様子は南大隅町あたりまでこないと見れない絶景です。
稲尾岳(錦江町)
大隅半島の山ですが、ここの登山路は清流が流れる沢沿いを登っていくようなコースもあります。
近くにあるビジターセンターもとても資料などが豊富でおすすめです。
佐多岬(南大隅町)
九州最南端の岬です。最近展望台の改装が行われて綺麗になったそうです。
ドライブやサイクリングにも向いたおすすめの観光スポットです。
雄川の滝(南大隅町)
大河ドラマ『西郷どん』のOPに登場した滝です。この日の前日が雨でしたので雨量が多めでした。
②大隅で冬に咲く花「ヘツカラン」
今回の旅の目的である絶滅危惧種の花がこの「ヘツカラン」という植物です。
蘭の一種でいわゆるシンビデュームの仲間ですね。。
寄生しているわけではないんですが、生活場所が木の上ということで、見つけるのがとても難しい・・・。
さらにほぼ野生絶滅の状態だとされているので見つけることだけでも一苦労です。
ちなみに名前の由来は南大隅の「辺塚(へつか)」という地域で採取されたことから。
文字通り南大隅を代表する植物として、地元では「ヘッカラン」と呼ばれて住民からは愛されている花です。
このランの祖先はインドネシアや台湾のような温かい地域の種類にも関わらず、日本の寒い冬に咲くというところがとても興味深い花なんです。
真冬でもきれいな花を咲かせているのが特徴です。
大きな株になると圧巻の花のカーテンを見ることができます。
通常だと花には色々な昆虫が来ますが、この花にはニホンミツバチしか訪れません。
自然と生命の進化の神秘です。
③意外と厳しい九州の冬
ところでこの記事を通じてひたすら「冬は寒い」「厳しい季節」というような言葉を使っておりますが、
「本当に冬が寒いの?」「九州最南端だし沖縄とは言わなくてもそれなりに温かいのでは?」と思う方がいるかも知れません。
たしかに私もこの地にいくまでいくら冬とはいえ南国だと思ってました。
道路脇にもヤシの木が生えてますし、海もとてもきれいで見た目は結構常夏です。
沖縄のビーチといえばそう見えないこともない雰囲気はありますが・・・
これは私が現地でとった実際の気温データです。
この日は真昼でも気温10度を超えず、9時には氷点下にまで気温が下がりました。
海が近い場所でもこれくらい寒くなり、先ほど写真にあった稲尾岳のように標高がある場所では冬になると積雪することもあります。
九州最南端でも冬は決して生き物にとって過ごしやすい季節ではないことがよく分かるかと思います。
まぁそういう季節だからこそ、そんな厳しい環境の中でもあえて花を咲かせていることの魅力が際立つわけですが^^
④南大隅に思いを寄せて
今回の旅(11/12-14)はまだ晩秋だったので冬!という感じにはまだまだ遠い季節でしたが、
それでも沢山の花が咲いていまして、大変満足の行く旅になりました。
私が今住んでいる福岡でも鉢植えに入れた花が咲いてくれているのですが、眺めていると南大隅が恋しくなってきますね。
というのも学生のときに12月に調査に行く必要があり、それも特段に寒い時期である必要があったため選ばれた日程はクリスマスの前後一週間。
クリスマスを過ごしたのは恋人でも家族でもなく、ヘツカランでした。(3年連続)
秋口から春になるまで毎月南大隅に旅立って、朝から晩まで花の前にいて、日が暮れたら宿に戻って温泉に入って、鳥刺しと芋焼酎というのがお決まりでした。
福岡も12月に入って一気に寒くなってきましたが、たぶんこの寒い中でも大隅ではヘツカランは元気に咲いているんだろうなと思いを寄せています。
福岡の自宅でもたくさん花は咲いてます(12月)
いかがだったでしょうか?
南大隅の(あとヘツカランの)魅力が少しでも伝わっていただけたのでしたら幸いです。
ちなみに福岡から片道5時間とは言いましたが、そのうち3時間半は福岡~鹿児島にかかる時間になりまして鹿児島市内から錦江町までは1時間半くらいしかかかりません。
フェリーに乗ってる時間を考えたら鹿児島市内からは実質1時間位車を走らせるだけで行くことができます。
海も山も綺麗で、景色も良い素敵なところですのできっかけがございましたらぜひ行ってみてください。