既存建物の解体完了、もしくは更地の土地購入の方は、まずは地盤調査からスタートします。
地盤調査とは、ざっくり言うと地盤の強さを測ることです。
建物の重さが地盤に載った際に、その重みで沈んだり傾いたりしないか、これを調べます。
一般的にはスウェーデン式サウンディング試験という方法で調査します。
スウェーデン式サウンディング試験(以下SS試験)とは、
鉄の棒を地盤に差し込み、その沈み方から強さを調べる試験になります。
棒の重さ自体で沈む、回転させて沈む、叩いて沈む・・・ガリガリ、ストン・・・
鉄の棒の反応から地盤強度を調査していきます。
建物の4隅と中央の計5か所を計測するため、調査自体は約半日程度、そこから結果判定で1週間ほどで報告書があがります。
調査の結果、補強が必要となった場合、地盤改良(地盤補強)工事を行います。
一般的には杭工事というとイメージしやすいかもしれませんが、杭以外にも様々な工法があります。
どの工法がベストというわけではなく、地盤性質に応じて検討し、最適な工法をご提案します。
実際の物件を交えて、施工の流れをご紹介します。
一例として、本物件ではQPパイル工法を採用しました。いわゆる木杭です。
地中に木の杭というと腐ってしまうのでは・・・と思ってしまいますが
古くはお城を支えたり、旧丸ビルを支えたり、れっきとした実績のある工法です。
木が腐る(木材腐朽菌が繁殖)には、「湿度」「温度」「酸素」「栄養」が適当な条件を満たす必要があり、
どれか一つでも条件がそろわなければ木は腐りません。
昔はよく水中に設置し、この「酸素」を遮断させることで、防腐処理とする事例が多いようですね。
現在では加圧注入による防腐処理をした木杭を使用し、腐食や蟻害を抑えた工法となっています。
木杭はCO2削減による環境負荷低減、六価クロム防止・・・色々とメリットが高い工法です。
詳しくは 九州パイリング様のHPをご覧ください。
http://qp-pile.com/about_timber.html
その他に、鋼管やシート工法・・・
地盤、状況(埋蔵文化財包蔵地内など)に応じて様々な工法を検討してご提案しております
今回は地盤調査~地盤調査までの流れをご紹介しました。
次回以降は建物の重さを地盤に伝える「基礎」、基礎工事の流れをご紹介いたします。
設計チーム